今さら聞けない!道路交通法改正に伴うアルコール検知器の義務化
もう既にご存じの方も多いかもしれませんが、道路交通法改正に伴い、
従来よりも広範囲でアルコール検知器の義務化が始まろうとしています。
「詳しいことは知らない」「初めて聞いた」など、今さら聞けない内容をご紹介していきたいと思います。
事業者によるアルコールチェックの義務化
私たちの暮らす日本において、飲酒運転による交通事故が厳罰化されてから約50年が経ち、
国民の飲酒運転に対する意識も大きく変化してきています。年々減少傾向にある飲酒運転による交通事故ですが、未だに根絶には至っていません。
また、飲酒運転による交通事故はプライベートの運転だけでなく、仕事中の運転でも発生しているということも事実です。
事業者による運転者のアルコールチェックの義務は、2011年の「有償で人や物を運ぶ事業者(緑ナンバー:タクシーやトラック等)に対して、運転前後のアルコール検知器を用いたアルコールチェックの義務化」からスタートしています。
さらに2019年には、航空業界と鉄道業界にも適用範囲が拡大されています。
そして2021年に「道路交通法施行規則の一部を改正する内閣府令」が公布されました。
アルコールチェック義務化の背景
アルコールチェック義務化の背景には凄惨な事故が関係しています。
「2021年、千葉県八街市の小学生の通学路にて、下校中の小学生の列にトラックが突っ込み、児童5人が死傷した。事故を起こした元運転手は、当日に焼酎200mlを飲んだ状態で運転していたとされる。」
飲酒運転による交通事故では往々にして罪のない人々が犠牲になっています。
果たしてこの事故は未然に防ぐことはできなかったのでしょうか?
これ以上飲酒運転による交通事故で犠牲者を出さない為に、私たちができることは何か、
運転する人だけでなく、私たち全ての大人が今一度考えるべきではないでしょうか。
この交通死亡事故を受けて、交通安全対策に関する関係閣僚会議で決定された「通学路等における交通安全の確保及び飲酒運転の根絶に係る緊急対策」に基づき、道路交通法施行規則の一部が改正され、2022年4月より順次施行されることになりました。
アルコールチェック義務化の対象と内容
アルコールチェック義務化の対象となるのは、
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1事業所当たり乗車定員が11人以上の白ナンバー車1台以上を保持する企業義務化
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1事業所当たり白ナンバー車5台以上を保持する企業義務化
※原動機付自転車を除く50cc以上の自動二輪車は0.5台として換算
上記の条件のいずれかに該当する企業ですので、社用車や営業車を持つ企業も対象となり、
多くの企業に当てはまる内容となっています。
また、アルコールチェックの義務化は、安全運転管理者の業務に新たに義務付けられるため、
「安全運転管理者の選任義務のある全ての事業者」が対象となると理解して相違ありません。
具体的な時期としては、2022年4月と同年10月の2段階で施行されます。
それぞれのチェックポイントは次の通りです。
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2022年4月~義務化のポイント
2022年4月からのチェックポイントは下記です。
・運転前後の運転者の酒気を帯びの有無を目視等で確認すること
・酒気帯びを確認した結果を記録し1年間保存すること
※この時点ではアルコール検知器を使用する必要はありません。 -
2022年10月~義務化のポイント
2022年10月からのチェックポイントは下記です。
・運転前後の運転者の酒気を帯びの有無を目視等で確認すること
・酒気帯びを確認した結果を記録し1年間保存すること
・国家公安委員会が定めるアルコール検知器を用いて行うこと
・アルコール検知器を常時有効に保持すること
※この時点ではアルコール検知器を使用する必要があります。
このように2022年10月からはアルコール検知器の導入が必須となります。
では、どのようなアルコール検知器を選べば良いのかご紹介します。
アルコール検知器の選定
国家公安委員会が定めるアルコール検知器を選ぶことをお勧めします。
「国家公安委員会が定めるアルコール検知器」とは、「酒気帯びの有無を音、色、数値等により確認できるもの」とされています。
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製品タイプ
市場には様々なタイプの製品が出回っていますが、「設置型」と「携行型」の大きく分けて2つのタイプがあります。
設置型
任意の場所に設置して利用し、記録保存も行える機能を備えている製品が一般的です。
携行型
場所を選ばずに利用できるのが利点ではありますが、それ故に本人になりすまして検査するような不正のリスクはおおきくなります。
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製品センサー方式
アルコール検知器のセンサーにも「半導体式ガスセンサー」と「電気化学式(燃料電池式)センサー」の2つの種類があります。
半導体式ガスセンサー
センサー表面に付着する酸素量に応じてセンサー内部の電気抵抗値が変化する特性を利用したセンサーです。電気抵抗値が低いほどアルコール濃度が高いと判定されます。
【メリット】
・比較的安価
・測定時間が短い
【デメリット】
・アルコール以外のガスにも反応しやすい電気化学式(燃料電池式)センサー
呼気に含まれるアルコール成分を燃料として電気が発生する特性を利用したセンサーです。電気の発生量が多いほどアルコール濃度が高いと判定されます。
【メリット】
・測定精度が高い
・アルコール以外のガスに反応しにくい
【デメリット】
・比較的高価
・測定時間が長い
これらの違いを理解し、アルコール検知器の機能をよく確認して選ぶことが重要です。
顔認証システム×検温×アルコール検知=???
これまでアルコール検知器の義務化について、背景から製品選定までご紹介しました。
これ以上飲酒運転による交通事故で犠牲者を出さない為に、私たちができることは何か。
私たちLM TOKYO株式会社ができることは、私たちの製品で命を守ることです。
非接触AI検温モニターとして大好評の「KAOIRO(カオイロ)」にアルコール検知の機能を備えた製品「KAOIRO+(カオイロプラス)」をリリースしました。
特徴は何といっても「顔認証システム×検温×アルコール検知」です。
顔認証システムによって不正を徹底的にゼロへ、対象者に飲酒運転をさせない。
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